ミニマムに。軽やかに。

ミニマムに暮らしたいみもざの日常をつづっています。

妊娠による身体の変化

2022年の12月24日、新しい命が宿ったことを知ったあの日から39週目突入です。

もういつ生まれてもおかしくないステージ。

ここまで無事これたことに嬉しい気持ち半分、生まれるまではまだまだ緊張も半分。出産という未体験への緊張もありつつ日々なるべく穏やかな気持ちで楽しみに過ごしています。

長いようであっという間にここまできました。目まぐるしく変わる身体の変化に、改めて妊娠という体験の神秘を感じずにはいられません。産休に入るまでは仕事がドタバタでなかなか記録をする心の余裕がなかったので、ベビーを迎えるまでのこのお休み期間に身体の変化を振り返って記録してみようと思います。

 

妊娠初期

  • 眠気:とにかくものすごい眠気。誰かに魂を眠りの世界へものすごい力で引っ張られているような(笑)、ズドーンとした感じ。寝ずにはいられず、横になったりお昼寝を仕事のランチタイムにどうにか取ったりしていました。
  • 腰痛:よく妊娠後期に腰痛が出てくると言われていますが、私は初期がひどかったです。妊娠するとリラキシンという身体の関節を緩めるホルモンが出るらしいのですが、これにより筋肉に負担がかかり腰痛が出たりするそうです。仰向けになって足をパタパタさせて腰を緩めたりしていました。
  • つわり:食べても食べなくても気持ち悪い。日によって食べられるものがコロコロ変わり自分のことが自分でわからない日々で難しい時期。つわりを通して食べれたのはトマト、バナナ、みかん。友人にどこかの動物の食事みたいといわれました笑。大好きなお米が特にダメになるなんて思ってもみなかったので、ホルモンの影響恐るべし。食事もろくに作れず、買い食いでどうにかしのぐ。夫にはこの時期かなり助けてもらい感謝です。
  • 歩行:つわりと腰痛のせいか、普段はとても早歩きの私がこの時ばかりは牛歩でした。

妊娠中期

  • つわり収束:5か月目を過ぎた頃。ようやくつわりが軽くなってきた実感があり、そのままいつの間にかなくなっていました。つわり中は本当にこの気持ち悪さと倦怠感がなくなるのだろうか、、なんて思っていたのにあっけらかんと収まっていました。ホルモンの影響ってすごい!
  • 歩行:つわりが収まったおかげで体調はかなり通常モードに。歩行も妊娠前のペースに戻る。
  • 胎動:16週で初胎動を感じる。仰向けに寝るとポコッと軽く体内からキックされてような感覚でした。自分ではない新しい生命が宿っていると改めて感じられた瞬間で嬉しいやら不思議な気持ちやら。妊娠は大変なことも多いけれど常に赤ちゃんを感じられるのは母親の特権だなぁと思います。胎動を感じるのが嬉し楽しくて、この頃は隙あれば仰向けに転がる日々w
  • おなか:膨らむペースが速くなり、胸も2~3サイズくらいアップした気が!妊婦らしい姿になってくる。

妊娠後期

  • 胎動:力強く激しくなる
  • おなか:大きさが一段とアップ!赤ちゃんの体重もぐんと増えてきました。でも意外とバランス感覚は保てていて、足元見ずらくなってもあまりそこの支障は感じず。靴下をはいたり爪を切るのに苦戦。
  • 歩行:また牛歩に戻る。9カ月目になると一気におなかが重たくなってきて、一つ一つの動作がしんどくなる。
  • 息切れや胸やけでなんとなく常に疲労
  • 仰向けで寝られなくなる、夜な夜なトイレで何度も起きたり寝返りが打てず身体が痛くて起きたりと寝不足気味に
  • おなかの膨らみの位置が少しずつ下がってきているのが見た目や身体の感覚的にわかる。トイレが近くなる
  • お腹が張りやすくなる
  • 手足のむくみを感じる

 

妊娠全体を通してとにかく甘いものばかり食べたくなりました。もともとそこまで甘いものは欲しないタイプだったのにチョコやスイーツばかり食べたくなり、普通の食事はつわりが抜けてもあまりおいしいと感じず、食事が少し難しいです。

 

そして肌荒れが激減し、抜け毛がほぼ無くなったのにも驚き。女性ホルモンのおかげのようですが、逆に産後がおそろしい。。。笑

 

妊娠期間を通して増えた体重は現時点で11キロ。一時期体重が少し増えすぎてしまった時もあったけれど胎盤の位置が下めなので運動はあまりしないようにと言われて体重コントロールが難しい時期もあったけれど、そこそこの増量でとどめられました。

 

10ヶ月間ずっと一緒に身体を分け合って生活してきて、その期間も残りわずかになりました。後期に入ると何かと身体の自由がきかないことも多いけれど、あと少しで会えるのを楽しみに、赤ちゃんとの残りの貴重な一"身"同体期間を大切に過ごそうと思います。

Dearママ / 吉川ひなの

www.gentosha.co.jp

 

「Dearママ」読みました。

 

先日感想を書いた「わたしが幸せになるまで」がライフスタイルがメインなのに対し、今回はもっと著者の精神面について綴ったエッセイでした。

 

simpleabundant.hatenablog.com

 

彼女の素直でお喋りしているような軽快な文体はさらさらと読めます。一方で丁寧に自身のこころに向き合って書いていると感じたし、彼女のように大変な子供時代をおくっていなくても、要所要所で共感したり参考になる部分がありました。

精神的にも肉体的にも親から今なら虐待と言われるようなことをされてきたのに、自分でこの悲しみは断ち切るという強い意思で自身の3人の子どもとは向き合っていて、実際にそれは成功していて、すごいなと思います。

そして、母親に対して最初は許せないと言っていたのに許せない自分も受け入れて、最後には大嫌いな時もあるけど大好きだよと言える強さ。母親が生まれ変わってきた時は私の子どもになってよと言えるところ、かっこいいし感動しました。

個人的には子育ての向き合い方とセルフラブの考え方は素敵だなと思って私も真似したいところです。具体的には…

 

【育児】

  • 親子であってもお互いのスペースを守る。親がこどものことだけにならず、人生を楽しんでいるさまを見ることは子のその後の人生を生きる上でのお手本になる。
  • 子供をどんな時でも愛し受け入れる。理不尽に怒らずきちんと説明する。
    必要以上に口出しせず見守る。言い方に気をつけながらもどんな時でも本心を伝えること。尊重すること。
  • 夫には夫のことの関わり方があるので余程のことでない限り口出ししない。
  • 心配ではなく信頼する。あなたなら乗り越えられると信じる。心配はする側の自己満!
  • 印象に残った言葉:

    子どもは大きくなって、この日々はいつか終わってしまう。どんなに大変でも、わたしは今日もこの愛しい日々を、心に焼き付ける。

     

【セルフラブ】

  • 脳は唯一騙せる臓器。そこを上手く利用しなるべくポジティブな思考パターンを身につける。 例)「健康です」とずっと唱えると脳が勘違いして本当に健康になっていくなど。
  • 世間はどうあれ自身の心に素直に正直にを他人に言えないような部分も全てありのまま受け入れて許す。自分のことを365日24時間大切にしたくれる人なんて自分しかいない!
  • 正しいセルフラブを ×暴飲暴食などその場しのぎで結果的に自分を苦しめる行為はしない
  • どんな人に出会っても、どんな投稿を見ても、自分からと比べずそれはそれと楽しめる、揺るぎない自分でいる。自分の幸せは自分だけのものなんなから、どんなことが起きたってそれによって崩されることを許してはダメ

 

著書を2冊読んで、すっかり吉川ひなのさんに興味津々で過去のモデルバリバリ時代の写真を見たりしたのですが、今のほうがファッションもメイクもナチュラルだし何より表情が柔らかくて自然体な雰囲気が素敵だなと思います。

 

若いころは苦しいことが多かった彼女のようですが、苦しみにしっかり向き合って乗り越えて、自身の心に素直に生きている姿は一人の女性、人間としてかっこいい!

物の循環

ここ数か月ずっとビーチサンダルを探していました。

havaianasのベージュのがあればいいなと思っていたのですが、置いてありそうな店舗やオンラインを探してもどこにも見つけられず。

 

そんな中、昨日たまたま断捨離のためリサイクルショップに物を持ち込んだら素敵なビーチサンダルを見つけてしまいました!Reefというカリフォルニアのブランドのようですが、色味とサンダルの模様がドンピシャで好みでサイズもぴったり♡

 

しかも新品未使用でもとのお値段3700円のものが550円に…!売れたものと相殺したらたったの50円。これはもう買うしかないと即決でお迎えしました。

 

ちなみにリサイクルショップに持って行ったのは、足に合わず痛くて履けなかったサンダルと使っていなかったビールグラスです。思っていたより高値で買い取ってもらえて満足です。

 

リサイクルショップで購入したので、新品とはいえなんだかちょっとエコなことをした気分でもあります。

 

こうゆう掘り出し物をゲットできた時の嬉しさって何でしょう。普通にモノを買う以上になにか充実感がありますね笑。

 

売れた嬉しさと、欲しかったものを思わぬ場所で見つけられた嬉しさでなんだかとても満たされた気持ちでした。

 

リサイクルショップに譲ってくれた方、ありがとう。不要品はやっぱり循環させて欲しい人の元に届くのが1番!大切に使います。

 

私が今日持っていた物も誰か欲しい人の手に渡りますように。

断捨離加速中。過去の趣味を手放した話。

先日から産休に入り、いよいよ赤ちゃんを迎えるに向けて本格的に準備中です。

ベビー用品や出産準備品の調達も必要ですが、家の中の整理も並行して行っています。

 

ベビーが手にしたら危険なものは棚の上に方に避難したり、としているうちに不要なものを改めて見直す機会になりました。

 

そんなわけで、しばらくしていなかった断捨離もここにきて再燃&加速。

もう不用品は無いと思っていたのですが、部屋の中をくまなく見ていると意外とまだまだある!

 

最近では過去の趣味用品である、テニスラケット、タップシューズとギターを手放しました。

 

テニスラケット

テニスは大学時代にサークル、社会人では会社の部活動的なものに参加していました。7年ほど前にラケットを買い直したのですが、プライベートでは一度も使用せず会社の部活(半年に1~2回程度)でしか出番がありませんでした。

 

それすらコロナになり数年中止になり、再開したころには私が転職したためやる見込みが全く無くなってしまいました。ましてやベビーが生まれたらそれどころじゃない。

 

久々にケースから取り出したラケットのグリップは暑さで溶けてベトベトに…

グリップを見た時に手放す決意がつきました。

 

タップシューズ

タップジュースは社会人になって2年ほどタップダンスレッスンに通っていた時に使用したもの。ただ途中からダンス違いのクラシックバレエのほうにハマってしまい全然行かなくなりました…

 

また再開するかもと保管していたのですが、バレエに夢中になったのとは別に、外反母趾が痛むということもあり足が遠のいたことも一因でした。

 

そのことを思い出して、改めて自身に問いかけたらタップ<バレエ愛の方が強いと思い至り手放す決意がつきました。

 

アコースティックギター

いつでもどこでも持ち歩ける弦楽器への憧れでアコースティックギターも1年ほど習っていたのですが、弦が硬く私はなかなか抑えられず上達もせず…

 

ティファニーで朝食をの名シーンに憧れてムーンリバーだけどうにか弾けるようになったのですが、それももう記憶の彼方。今は全く弾けません。結局ただの部屋のインテリア状態だったので、ベビーがぶつかって倒れたりしたら危ないので思い切って手放しました。

 

 

改めて書くと色々なことを試していた私笑

 

過去の趣味用品って何となくまだ気持ちもそこにあるような気がして、またやろうと心のどこかで思っているので手放す踏ん切りがなかなかつかず決断を先延ばしする傾向があります。でもやろうと思っていても、心の奥底では本気で思っていないので結局その機会は来ないことが殆どです。もし本気なら今すぐ再開しているはずですよね。

 

いつか使うかもの「いつか」は来ないのと一緒です。

 

この3つはやらなくなった理由を考えてみたら、実は上記の通り明確で再開見込みもかなり薄いかったです。何より今の自身の気持ちに正直に問いかけたらやりたいと思わないし、ライフステージが変化する今の状況でとても過去の趣味を再開する余裕もありません。

 

どの趣味も当時十分楽しんだので、今の私には不要でした。もしまたどうしてもやりたくなったらその時考えようと今は気軽な気持ちでいます。

 

実際に手放してみると捨てる前の「本当に捨てちゃっていいのか」という不安に似たモヤモヤよりも、スペースも随分取っていたので余白ができてスッキリ気持ちが軽くなった方が大きいです。先延ばしせずもっと早く決断していれば良かったと思うほどです。

 

今私の最優先はこれから迎えるベビーにとって安全な住まいづくりのこと。

 

 

しばらく目を光らせて不用品を探す日々は続きそうです笑。

わたしが幸せになるまで/吉川ひなの

www.gentosha.co.jp

 

吉川ひなのちゃんの新刊が最近出たようですが、私は2021年に発刊されたこちらを読みました。

 

特にファンというわけでもなく、昔テレビにでていた時はお人形みたいに顔の整った可愛い人だな~という印象くらいでした。

 

でも、この本を読んで彼女の複雑な生い立ちと実は苦労人だったということを知り、彼女に対する見る目がすっかり変わりました・・・!

 

美貌とスタイルに恵まれ、順風満帆なキャリアを手に入れても、実は人知れずとても苦悩し幸せではなかったのだと。親が稼いだお金を使いこんでいたこと。改めて何不自由なく育ててくれた自身の親や環境に感謝するとともに、その人が幸せかどうかは周りからは分からないものだと思いました。

 

本の内容は彼女の生い立ちから始まり、ライフスタイルや考え方まぎゅっと詰まった一冊でした。ハワイに住んでい本格的にヨガをしているのはなのはなんとなく知っていたけれど、ここまでナチュラル思考で環境問題や身体に入る食べ物のことを考えながら生活していたのは知らなかったので、キラキラとは真逆にも見えるナチュラル&オーガニックライフに驚きました。(ナチュラルでオーガニックだからこそキラキラしているともいえるのかも。)

 

私自身食の安全性や家畜の飼育方法やそれらが及ぼす環境負荷などは一時期けっこう調べてなるべく選ぶ食材を気を付けていたのですが、最近は多少気を配りつつもほぼ知る前の生活に戻ってしまっていました。また少しずつ気を配りたいなとカツを入れてもらったような気持ちです。

 

そして何より、この本からはひなのちゃんの意志の強さを感じました。何を決めるにも世間一般の価値観にとらわれずに、ささいなことでも気になれば自分で調べて、自分で決めるというスタンスが一貫していてかっこよかったです。

 

時にはちょっと極端すぎるようにも見えるのですが、それも彼女自身がじっくり検討して、旦那さんと議論する中で決めたことなのだろうから周りが何と言おうと関係ないですよね。

 

プレママの身としては、3人の子育てをしている彼女の持論は共感できる部分も多くてとても参考になりました。

  • 子どもを子ども扱いしない→しっかり自身の言動に責任をもたせる
  • 子どもを信頼する→干渉しすぎず、ある程度本人に任せる。失敗してもそれは本人の学びになる
  • 子どもを支配しない→いうことを聞いてほしいと思うこと自体が支配的だと意識する
  • たっぷり愛情をそそぐ→何があっても大丈夫という自己肯定感を確立させてあげる

 

おむつなし生活も取り入れたいなと思っています♪

今まで知らなかった吉川ひなのちゃんの魅力が詰まった一冊でした。

 

 

そして彼女の本を読んでいたらとてつもなくハワイに行きたくなりました。

綺麗な海を眺めながら波打ち際でのんびりしたいです♡

ミニミニ財布

先日新しいお財布を購入しました。

これまでのお財布は2年選手でまだ十分使えるお気に入りなのですが、レザー×ベージュと汚れやすいのが欠点でした。(レザーだとどうしても重さと厚みがでてしまうところも…)

この夏ベビーを迎えるにあたり、汚れにくく気軽に使える丈夫なものを探していたのです。

最初は無印良品のトラベルウォレットを検討していたのですが、実物見てもなんとなく気に入らず…いっそポーチを財布代わりにしようかとあれこれ検討。

そんな時山用品ならどうだろう、と探して見つけたのがモンベルのトレールウォレット。

 

横10cm×縦7cmのほぼカードサイズの三つ折り財布。

アウトドアブランドなだけあり、軽量で薄く、Ballistic ULTRAという高強度素材使用と丈夫そう。小さいのにカード入れまで3ポケットもあり、さらに小銭入が意外と大容量です。コンパクトながらお札も折ってからしまう必要もなく、機能性も使い勝手も申し分なし。

カードはいつも①保険証、②キャッシュ兼クレジットカード、③PASMOしか持ち歩かない私にはこれで十分。ポケットにカード一枚ずつだと少し滑り落ちやすいので、いつもセットでお財布に入れていたお守りとバンドエイドを入れたらちょうど良い滑り止めに。完璧です◎

そんなドンピシャなお財布ですが、2点欠点があります


1. お札が三つ折りになる
お札を出す時に折り目が気になります。なるべく二つ折りで留めておきたいのですが、ここは目をつぶりました


2. 留めボタンがない
小銭がある程度入ってないと開いてしまう→家にあった使ってなかったリボンのゴム巻いたらかわいいし解決笑

いろんな購入者のレビューでも書いてあり、買う時に散々迷いましたが、いざ使ってみるとそれらをしのぐサイズ感、軽さ、丈夫さです。

使いはじめて2週間ほどですが、カバンの中でもスペースをとらず、持ち物がいっそう軽量&ミニマムになって嬉しい♩すっかり気に入ってしまいました♡


ベージュのお財布はボタンは汚れを修復できることがわかったので、修理に出しました。お出かけ用として、こちらも今後も大切に愛用予定です。

 

お財布を二つ持つのは本質的にはミニマムではないけれど、今後の私のライフスタイルを考えるとこれがしっくりきてきます。

 

頑なにミニマムにするのではなく、ゆるく柔軟性を持ちながら、ミニマム寄りな暮らしを今後も楽しみたいと思います。

 

 

追伸(6/30):ベージュの革財布のボタンが交換されて戻ってきました!ボタンだけすごく汚れていたので替えたらかなり綺麗になり嬉しい♩交換お値段も2700円と優しい価格でした。

修理して長く使えるのっていいですね。こちらも引き続き愛用していきます。

 

 

本当の読書

www.chuko.co.jp



吉田篤弘さんの作品はどれもどこか捉えどころがなく、でもほっこりする物語が多いのがなんともいえず好きなのですが『中庭のオレンジ』は特にそれを感じました。

独立した21の短編の冒頭、間、最後に図書館に埋められたオレンジの木の物語が紡がれていて、短編の中でもこの物語の特別感が際立っていました。

 

それこそ本からふんわりオレンジの香りが漂ってきそう。


他の短編もこころがじんわりあたたかくなるような素敵なものばかりで、寝る前に1編をすこしずつ、すこしずつ宝物を大切するように読みたくなるような作品です。快適な睡眠へもうってつけでした♪

 

個人的には夢の中で数えられる羊たちの物語がないものねだりの人間にそっくりでもあり、かわいらしくもあり微笑ましかったです。

著者のあとがきにの言葉が印象的でした:
 

大人になると余計な知恵がついてしまい、つい答えや終わりのようなものをもとめてしまいます。でも、・・・自分の子供の頃の読書にら、答えも終わりもなく、そこにあるのは、理屈を超えた「たのしい」「ふしぎ」「こわい」「かなしい」「さみしい」でした。

 

この短編集がいつも以上にふんわり、とりとめのないように感じた理由がわかった気がします。

 

確かに大人になると、小説にもどんな著者のメッセージが込められているのだろうとか、ここの表現にはどんな登場人物の心理を含めたかったのだろう、ここは意図が分からないけどどうゆうことなのだろうなど考えながら読んでしまいます。もちろんそれはそれで、楽しいし理解が深まって面白いのですが、何かしかの答えを求めてしまいがちでした。

 

それがこの小説は、なんだかよくわからない、つかみどころがないところがあるけれど、それはそれでいいなと思えるような、答えを突き詰めずに不思議な余韻を楽しみたいな、という気にさせてくれるのです。

 

著者の狙い通り純粋に、メッセージや理由を深く追求せずに読むこと自体を大切にできた、ある意味『本当の読書』を久しぶりに体験できたのでした。