ミニマムに。軽やかに。

ミニマムに暮らしたいみもざの日常をつづっています。

青空の下のオーケストラ

先日ふらりと池袋へ立ち寄ったら、野外オーケストラを開催していました。

小林研一朗という方が指揮をとられていました。国内外様々なオーケストラで指揮を担当し、もう80代の方ですが、今も現役で精力的に活動されているとのこと。姿勢はシャキッと、喋る言葉はしっかりしていて、とてもかっこよかったです。こういう方を見かけるたびに生涯現役って大事だなと感じます。私もいくつになっても仕事や好きなことを追求し続ける心を持ち続けたいと思います。

演奏というのは、思っている以上に指揮者の影響を受けるようで、小林氏の指揮の特徴を実演を交えながら説明してくれるといった配慮もあり、通りすがりの私のような初心者にもわかりやすかったです。小林氏の指揮はリズムを巧みに操作することで、重々しさや軽やかさを表現しているそうです。こういった工夫は演奏を聴いてみると、たしかにと感心。

とはいえ、テクニックとかすべて抜きにして、生演奏ってやはりいいなぁというのが素直な感想でした。演奏している人たちのエネルギーと観客のエネルギーが合わさって、なんともいえない高揚感があります。音楽ってどんなジャンルでも、その中に優しさや愛情だったりが込められていて、ポジティブなエネルギーがあるように感じます。見ず知らずの人でも一緒に聴いている、それだけで一体感を感じますし、聴いているだけで嬉しい気持ちになります。生演奏のパワーは絶大です。

音楽は人の心に素晴らしい記憶を残してくれるけれど、形として残らないところが本当にいいなと思います。生演奏はまさに体験そのもの。人それぞれの感性のままに心の中に刻まれてその人の一部となっていきます。モノは増やしたくないけれど経験は増やしたい、音楽はそんな欲求を見事に満たしてくれます。もし自分に能力を度外視して今仕事を選択しなおせるとしたら、演奏者になりたいなぁなんてふと思ってしまいました。特にオーケストラでの演奏のように、一人では不可能なハーモニーを皆で創り上げていくその一体感ってどんなものなのか味わってみたいです。昔からカーテンコールの瞬間に最も感動するのですが、公演後のすがすがしい顔、演者さんや奏者さんの団結力を感じたりするのが本当に好きで、一度自分も体験してみたいと憧れてしまいます。

日々違うものを生み出し続ける仕事って、とてもハードだし泥臭い面もあるのだとは思いますが、ルーティンワークの私からすると羨望の眼差しでついつい見てしまいます。同じ演奏は二度とありません。偶然にも今回野外で生の演奏を聴けたことは本当ありがたく尊い機会に巡り合えたなと思います。

そういえば、野外オーケストラは初めての体験でした。なかなか野外オーケストラってないので、今の情勢ならではかもしれません。席も用意されていましたが、通りすがりの人も聴けて、なおかつ好きなタイミング離れられる、その気軽さがとても素敵だと思いました。秋晴れの中に広がるシンフォニーには解放感や清々しさがあり、雑音とも調和して全てを巻き込んでのオーケストラという感じがしました。